港区の子育て事情について

2018年10月22日

日本の女性の社会進出が、先進国の中で低い水準であることをご存知でしょうか。アベノミクスの成長戦略に「女性が輝く日本」として、重要課題の一つとして議論されています。近年では、結婚や出産後も働きたいと考えてる女性が増えている一方、なかなか思うようにはいかない現実があります。数ある問題点のなかで、待機児童問題という言葉を聞いたことはありませんか。妊娠したことにより産休が取れず退職を選択する場合や、子供を出産し社会復帰をしたくても預かってくれる場所がなく、中には仕事を辞めざるおえない状況になってしまうことも少なくはありません。また、保育園に空きがなく待機児童になり仕事復帰が遅れたり、仕事が決まらず保育園の申請すらできない現状があります。このような問題点を自治体側もいろいろな対策や、サポートで対応してくれているのですが、そのサポートは区によってさまざまです。今回はおしゃれで洗練された雰囲気と、有数のビジネスタウンとしてのイメージが強い港区の子育て事情についてまとめてみました。

まずは妊娠がわかったら、区の窓口に速やかに届出をしてください。そこで母子手帳や港区での妊娠や子育ての情報が入ったクリップファイルがもらえます。この中には妊婦健康診査受診票が入っており、妊婦の診察や各種検査の一部について助成が受けられるチケットのようなものです。里帰り出産を希望している方にも、港区では妊婦健康診査費用の一部を助成してもらえるようです。ただ都外の医療機関や助産院で妊婦健康診査受診票が使用できずに自費で受診した方が対象です。港区では、母親学級や両親学級も開催しており、オムツの変え方や沐浴などを学べ赤ちゃんを迎える準備に心強いサポートです。
出産時にかかる分娩費や入院費に対して、上限60万円の助成金が支給されます。これによって結果、無料になることがほとんどです。健康保険から支給される出産育児一時金とは別になります。つまり出産祝い金です。港区は上限60万円から出産育児一時金の42万円を差し引いた金額になります。
いざお子さんが生まれて、小さいうちは何かと病院にお世話になります。予防接種も1歳までにいくつも接種しなけらばならないですし、保育園や幼稚園に通いだすと何かと病気をもらってきたりします。港区では、子ども医療費助成があります。お子さんが中学3年生まで医療費を自己負担した分を港区が助成してくれる制度です。申請をすると、乳幼児医療証または子ども医療証が届き、健康保険証と一緒に医療機関に提出すると、ほとんどの診療が無料で受けられます。
次に子供の預け先について、港区では生後2か月未満から一時保育が利用可能です。育児サポート子むすびというファミリーサポートセンターがあり、事前に会員登録をすると受けられるサポートです。しかし、一時保育やファミリーサポートは短時間の預かりになるので、社会復帰を考えてる方は認可保育所や認証保育所にお子さんを預けることになると思います。
港区では、区立と私立の認可保育園は58園あり、認証保育園は20園あります。認証保育園に入園した場合、保育園補助金が助成されます。認可保育園の保育料と認証保育園の保育料の共に月額料の差額金が助成され、認定こども園・小規模保育施設か港区保育室に入園されてる方も対象です。平成30年度4月1日時点での港区の待機児童数の調べでは、0歳児から5歳児までの合計待機児童数は97名で、その中でも1歳児が43名と約半数を占めています。昨年の平成29年度の0歳児から5歳児までの待機児童は164名なので、前年度よりは待機児童数は減っています。平成30年4月より港区では保育料が改定され、区独自の保育料無料化として、在園してる第2子以降の保育料が無料となります。延長保育料は第2子以降もかかるようですが、保育料無料化はうれしい制度ですね。詳しくは港区公式ホームページの子ども・子育てのページをご覧ください。年齢別や施設サービス別に検索することもできとても見やすくなっています。
港区の子育て環境はどうでしょうか。イメージとは違い緑が多く、環境対策に手厚い港区には約100カ所以上の公園や児童遊園が点在しています。東京タワーが見える芝公園は有名ですね。また、室内あそびができる、子育てひろばや児童館もあります。子育てひろばは幼児期の親子が集まって、情報を交換したり友達を作ったり、また各講座が開かれていたりします。小さいお子さんを連れて安心して遊ばせられる場となっています。港区は華やかなイメージだったので、ここまで子育てに対するサポートや助成金が手厚いことを知り、子育て世代に人気なエリアなのもうなずけます。