万が一のために加入すべき?賃貸オフィスで最低限必要な火災保険とは

2020年5月15日

賃貸オフィスで火事を起こしてしまうと、原状復帰させるための費用として物件オーナーから多額の損害賠償金を請求されることがあります。そのため、賃貸オフィスを利用する際は、必ず火災保険に加入すべきです。

今回の記事では、賃貸オフィスで最低限必要な火災保険3つと、火災保険を加入することで避けられるリスクについて説明します。火災保険の種類や火災保険に加入するメリットについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

万が一のために加入すべき?賃貸オフィスで最低限必要な火災保険とは

賃貸オフィスで最低限必要な火災保険とは

賃貸オフィス利用する場合は、最低限「借家人賠償責任保険」「個人賠償責任保険」「家財保険」の3つは加入しておくべきです。以下では、これら3つの保険の概要をご紹介します。
    

1. 借家人賠償責任保険

借家人賠償責任保険は、火災などにより物件を破損させてしまったときに生じる賠償責任を補償してくれる保険です。
賃貸物件のオフィスの場合、物件の所有者はオーナーです。建物を破損させてしまうと、物件オーナーに賠償責任が生じます。
賠償責任では数百万、数千万単位の支払いが要求されるケースもあるため、会社経営が大きく傾いてしまうことも考えられます。
損害賠償請求への備えとして有効なのが、借家人賠償責任保険です。
借家人賠償責任への加入は任意で、必ずしも加入する必要はありません。しかし、多くのオーナーが賃貸契約の条件に借家人賠償責任保険への加入を課すため、オフィスを借りる際は加入するのが一般的です。
なお、借家人賠償責任保険は保険会社によって若干名称が異なります。借家人賠償責任保険特約、もしくは借家人賠償責任補償特約といった名称が使われることもありますので、注意してください。

2. 個人賠償責任保険

賃貸オフィスを利用する場合、個人賠償責任保険にも加入するのが望ましいでしょう。
個人賠償責任保険とは、同じビルにオフィスを構える別の会社への補償を行う保険です。借家人賠償責任保険とは補償の対象が異なるため、しっかり区別しましょう。
ビルで火災が生じた場合の責任は出火元のオフィスにあります。ほかのオフィスにまで燃え広がってしまうと、延焼したすべてのオフィスから損害賠償請求を受けてしまいます。個人賠償責任保険は、この補償を一挙に引き受けてくれるものです。
なお、個人賠償責任保険の補償対象は火事だけではありません。水漏れ被害なども補償の対象になります。

3. 家財保険

賃貸オフィスを利用する際は家財保険も忘れずに加入すべきです。家財保険は、火災により自社オフィスの備品・設備が破損した場合に補償を行ってくれます。コピー機やパソコンなどのオフィス用品は大切な財産です。もしもの事態に備えて家財保険に加入しておくと安心でしょう。
なお、家財保険は、火災だけではなく、水漏れや爆発、落雷などにより家財が破損した場合にも適用されることが多いです。

火災保険に入っていることで防ぐことができるリスクとは

火災保険は、火災が発生することで生じる経済的な損失を抑えるために加入します。あらかじめ加入しておくことで多額の損害賠償金を請求された場合でも保険金が請求できます。
火災保険に加入するとどのようなリスクを回避できるのか、説明していきます。
    

1. 物件オーナーへの損害賠償責任

賃貸オフィスで火災を起こしてしまうと、物件オーナーが被った損害のぶんだけ賠償責任を負うことになります。物件の借主には、貸借している物件の原状復帰義務があるためです。
被害の規模にもよりますが、火災による損害補償額は数百万以上にのぼることも珍しくありません。火災保険に加入しておけば、火事の出火元になった場合でも、保険会社が損害賠償額を補償してくれます。

2. 他のオフィスへの補償

火災で建物が破損した場合、補償しなければならない相手は物件オーナーだけとは限りません。複数の企業がオフィスを構えるテナントビルの場合、同じビルに入居する企業から損害賠償請求を受けることもあります。
火災保険に加入しておけば、多額の賠償金を請求されるケースであっても、慌てずに済むでしょう。

3. 過失のない火災による被害

火災保険は、同じビルにある別の企業のオフィスが火元の火災で被害を受けた場合にも役立ちます。
通常、火災の責任は火元となったオフィスにあります。しかし火元の企業に過失がないケースでは、たとえ出火元であっても、ほかのオフィスの被害を補償する必要はないとされています。火元以外の企業は、自身でオフィスの被害をカバーしなければならないかもしれないのです。
火災保険に加入しておくと、出火元に損害賠償請求ができない場合でも経済的なダメージが少なく済むでしょう。

4. オフィスの設備が破損してしまうリスク

火災によりコピー機・パソコンなどの電子機器やオフィス用品が破損してしまうケースも考えられます。被害の範囲にもよりますが、会社にとっては決して小さくない痛手でしょう。
火災保険に加入しておけば、オフィスの備品や設備の被害に対しても補償を請求できます。

【まとめ】

火災保険で火事に備えよう

賃貸オフィスで最低限必要な火災保険と、火災保険に加入しておくことで防げるリスクについてご紹介しました。火事は滅多に起こることではないですが、一度起きてしまうと、多額の修理費、損害賠償費用が発生します。被害によっては、経営が傾いてしまうことも考えられるでしょう。

火事への備えとして有効なのが火災保険です。火災保険に加入しておけば、自身が火事を起こした場合はもちろんのこと、他のオフィスが原因である火事や備品の被害などにも備えられます。
まだ火災保険に未加入の方は、この機会にぜひご検討ください。


【参考URL】
賃貸オフィスで火災保険は必要なの?
https://birusaku.jp/column/other/c04/

事務所向けの火災保険はどんなリスクに備えられるか?
https://hoken-kyokasho.com/fire-insurance-office