株式会社エリール 様 インタビュー

株式会社エリール 

たった一人のプリンセスになれるサロン。
お客様が喜ぶことで私達も輝ける。

株式会社エリール 

株式会社エリール 

代表取締役  内山 恵美子 様

http://leiwelina.info/

2017年4月19日

代々木公園駅は、渋谷区富谷に位置する東京メトロ千代田線の駅だ。改札の一つ公園口を出ると、緑あふれる代々木公園の広大な敷地が広がっている。もう一方の代々木八幡方面の改札口前には様々な店舗が建ち並ぶ。程近くには代々木八幡駅が立地し、小田急小田原線への乗り換えも可能だ。2つの駅の前には、ナチュラルローソンなどのコンビニエンスストアをはじめフレッシュネスバーガーなどのカフェも充実し、駅から少し離れると閑静な住宅街が広がる。豊かな自然と利便性を併せ持つ魅力的なエリアに位置する代々木公園駅。
そんな代々木公園駅から徒歩0分、賑やかな駅前商店街に佇むビル「ラ・ツールド・ルパン」の2階にネイルとまつ毛エクステのサロンがある。本店が同じ千代田線の金町駅にあり、約一年前渋谷店と千駄木店をオープン。今回は弊社の仲介で契約をした渋谷店でオーナーの内山恵美子様にオープン後のお話を伺った。サロンのドアを開けると、女性の夢を叶えてくれるきらびやかな世界が広がっていた。

 【ワンコインからのスタート。自宅サロンから店舗展開へ】

 ―順調に店舗を増やされていて素晴らしいですね。最初はどのようにして事業を始められたのですか?

 もともと私はフリーで、ネイルとまつ毛エクステをやっていたんです。最初はお客様のご自宅を訪問して、値段もワンコインの500円からスタートしました。紹介のみのSNSもない時代です。お客様はお子さんのいるお母様が中心でした。どうして、お母様達を対象に始めたかというと、「お母さんは子供の世話にかかりきりで、自分の身に構っていられないから美しくない」と聞いたからです。「それなら私がお母様達を美しくしよう」と思いました。当時、アイラッシュ(まつ毛エクステ)はすごく値段が高かったんです。その頃、私はちょうどネットビジネスでお金を貯めたところでした。輸入ブランドのベビー服のアウトレット製品を日本でネット販売していたんです。でもネットビジネスはメールのやりとりのみでお客様とお顔を合わせることがありません。お客様はいかに安く買うかを第一に考えますし、商品がアウトレットなので、粗を探しては「もっと安くして」と値引きを求めてくることもあります。そういうやりとりをしているうちに、だんだん自分のやりたいことと違うと感じるようになってきたんですね。

 そこでネットビジネスで貯めたお金で、もう一度美容学校に行き直しました。学校に行きながらお母様達を相手にアイラッシュの技術を磨いていったんです。当時アイラッシュは1回の施術料が3万円くらいでしたがワンコイン500円で始めました。その時代は今のようにエクステが世間に浸透していなかったですし、3万円するエクステを一般の主婦はやりません。なので、500円でエクステをすることを「安い」と分かるお客様もいれば「エクステって何?」と言われるお客様の両方がいらっしゃいました。
そのような中「子どもの卒園式があるけれど、マスカラだと泣いて目の周りが黒くなってしまうからエクステをやりたい」というお母様の声をいただきました。そして、結局その方のお子さんが通う幼稚園のたくさんの方にエクステの施術をしたんです。皆様にとても喜んでいただいて、だんだん口コミでお客様が増えていきました。
技術者は沢山のお客様に施術をして、数をこなしていかないと技術が磨かれていきません。私はワンコインでお宅訪問を始めた時に「100人のお客様に施術をして、しっかり技術が身に付いたら自宅サロンを出そう」という目標を掲げました。そして、ワンコインでエクステをしたお客様にも自宅サロンを開きたい夢をお伝えしていたんです。500円で施術をした方には次の方を1000円で、1000円で施術をした方には次の方を3000円で紹介してもらいました。数をこなすと腕も上がるので、その分値段も上げられます。5000円まで上げましたが、その時点ではお客様も増えていたので自宅サロンをオープンする夢も実現できました。タワーマンションの一室のサロンだったので、広告を大々的に出すことはできず、完全紹介制でした。
その頃、抗がん剤の影響で抜けてしまった毛がやっと生えてきたというお客様が来店されました。「まつ毛も眉毛も全部抜けて、やっと生えてきたところだけど他のお店では、エクステを断られてしまった。でも、内山さんならやってくれるかもしれないという噂を聞いて来ました」と言っていらしたんです。私は今でいうボリュームラッシュ(1本のまつ毛に2本以上のエクステを付けるテクニック)という技術を十年前に持っていたので、毛のない方でもそれなりに毛があるように見せる施術をすることができました。施術後、お客様は泣いて喜んでくださいました。その時、アイラッシュの神様が下りてきたような感覚になって、私の中で使命感のようなものが芽生えたんです。それから、その方のお仲間が来るようになって、がん患者の方のお客様が増えていきました。
「お母様達を綺麗にする」ところがスタートでしたが、他にもこんなに喜んでいただける方たちがいるなら、もっとこの世界を広げていきたいと思ったんです。でも一日に十人以上施術していたので寝る時間もなくなってしまって、これ以上一人でやるのは無理だと感じ、店舗展開を考えました。自分一人ではなく沢山のスタッフがいる店舗をオープンすれば、もっと沢山の人を喜ばせられるかもしれないと思ったんです。なので、自宅では「ウェリナ」という名前でやっていたのを、お店を出す時には「レイウェリナ」にしました。「ウェリナ」は「愛を込めて」という意味で「レイ」は「輪」です。一人では「輪」はできないけれど人が集まれば「輪」ができる、そして「レイ=ウェルカム」の気持ちと「お礼」の「礼」の意味も含まれています。今まで一人でやってきたけれど、こんなに沢山の素晴らしいご縁からお店を出すことができたことへの感謝の気持ちを込めた名前なんです。

 ―1号店のレイウェリナはどのようなお店なのですか?

 レイウェリナは、ネイルとエクステだけではなく、美容師も雇ってヘッドスパからフェイシャル、エステまで全ての総合美容サロンとして金町にオープンしました。またネイルとエクステの同時施術を先駆けて導入したお店でもあります。初めてのお店で一気に色々な技術者を雇ったので大変でした。どういう順序で様々な契約を進めていけば良いのかが分からなかったんです。最初に物件を探しますよね。でもすぐに契約になるので次に内装屋さんを決めなければなりません。でも同時進行はなかなか難しくて、結果的には半年間お店が出来上がらなかったんです。集客方法も手探りでした。ホームページは絶対に必要だと思い、お金をかけましたがこちらも出来上がりませんでした。内装もホームページも「やってあげるよ」という声は沢山かかりましたが、知人の知人に頼んだらどちらも出来上がらなかったんです。内装は結局美装屋さんに頼みましたが、材料などは自分で発注したりして、デザインも風水を取り入れながら考えました。シャンプー台の場所や床・壁のデザインなども感覚で決めましたが、最終的には立派に出来上がりました。でも私の中では金町店を出す時の経験は失敗で、だからこそ確実に成長させられたと感じています。

http://leiwelina.info/about.html#about2 よりレイウェリナ金町本店画像引用

 ―金町店をオープンするまでご苦労されたのですね。そこからどのように店舗展開されていったのですか?

 金町店を出すことによって、一店舗の売り上げの天井が見えてしまったというのが店舗展開を考えた理由です。それに気付いたのは金町店の最高売上記録を作った年でもありました。でも、その時にこの売上を維持するのは厳しいだろうと感じ、店舗を増やすことを考えたんです。
現在は3店舗ですが来年にもう1店舗出す予定です。
敷金・礼金・保証人が揃わないとお店は作れません。でもお店を作ってあげて、本当なら私が雇って人件費を払うところを、家賃だけ払ってあとは任せる。3年くらい経ったら結果が出ると思うので、「その間、頑張ってお店を軌道に乗せなさい」と伝えています。
つまり、本来なら借金するところを私が肩代わりして、自分では店舗を出せないスタッフにお店を作ってあげるんです。そして、3年任せてみて、そのスタッフがそのまま続けても良いと思えばお店を買い取る道を提供しようと思っています。
私はもともと両親が現役で会社を経営していたので、金町店をオープンする時には保証人になってもらいました。今回お店を広げるに当たっては国民金融公庫からお金を借りましたが、金町本店での実績があったので問題ありませんでした。スタッフ達もお店を任されて実績を作っていけば、お金を借りられるようになります。そうすればお金を借りて私のお店を買収して、その代わりに国民金融公庫に支払いをしていくという道も提案できます。そういう方法でお店(レイ)を広げていきたいと思っています。

―お店を手放してしまうのはもったいなくないのですか?

 もったいないかもしれませんが、手放してもいいと思っています。店舗ってどこかで止め時が来ると思うんです。年を重ねた時にどうするかという問題もありますし、スタッフに渡してしまった方が自分の最後の納め方としてもいいのではないかと考えています。だから今後はお店を「作ってあげて出す、作ってあげて出す」の繰り返しでいいのかなと思っていますね。
自分で経営することはハイリスクです。いつスタッフが辞めるかも分からないし、辞めたらまた雇わなくてはならない。売上がなくてもスタッフに給与を払わなくてはいけません。でもお店を経営するっていうことはそういうことなんです。

 ―斬新でカッコいいお考えだと思います。店舗を出す場所はどのようにして決められるのですか?

 住宅街が広がっている場所は、お母様方が来てくれるのでサロン経営には向いています。新宿や渋谷、池袋、銀座などのターミナル駅は、家賃も高いし競争も激しいので難しいですね。
レイグループは千代田線沿線上に3店舗出していますが、金町店の後、昨年この渋谷店と千駄木店を同時にオープンしました。
吉美さんに紹介していただいて、渋谷店を見た瞬間、「ここでやりたい」と思いました。でも実は、売上は3店舗の中で渋谷店が一番苦戦しています。難しい街なんですね。この辺りは家賃が高くて若い夫婦は共働きでないと支払っていけません。だからお子さんを保育園に入れて、お母様が働くので日中の予約が埋まらないんです。
お店を出すならファミリーが多くて、ある程度旦那様に所得があって、奥様が働かなくていい街が一番良いことに気づきました。そういう街にお店を出すと、奥様に昼間来ていただけるので日中の予約が埋まります。これで駅前なら、ほぼ失敗しないと思います。3つの店舗を千代田線の沿線上に出したことから学んだことですね。
実は千駄木店はオープンして1年満たないうちに移転しているんですが、結果的に成功でした。移転直後から満席の日が続いてます。以前の店舗は駅前ではありませんでした。千駄木エリア内で、駅前に移転できたので、以前の店舗に来てくださっていたお客様は皆さん移転後もいらしてくださいます。費用はかかりましたが、毎日満席が続いていますし、必要な移転だったと思っています。来年出す予定の店舗は、千駄木に近い所で探そうかと考えています。


 ―初めに金町でオープンしたのには理由があるのですか?

 もともと金町の自宅でサロンを開いていたので、そのお客様がそのまま来てくださるということがありました。店舗になって施術費用はかなり上がりましたが、ワンコインでやっていた時のお客様がいまだに来てくださるのはとても嬉しいです。その時代のお客様は私の歴史も知っています。夢に向かって走り続けて失敗も多いけれど、泣いている暇なんてないとすぐ切り替えて、また目標に向かう姿を全部知っているんですね。その時代のお客様が仲間のように応援してくださって新しいお客様を紹介してくださいます。
金町店が出来上がるまでに半年かかったので、その間は自宅でお客様を呼んでいましたが、売上は全て家賃等の支払いに消えていきました。なりふり構わず必死でビラ配りをして集客していた時期もあります。ネイルやエステの学校に行きながら始めたので学費も払わなくてはいけないし、自転車操業的な時期もありました。もともとネットビジネスで稼いだ自己資金で始めたので、収益が入ってこないということは、お金がどんどん減っていくということです。その恐怖も味わっているし、スタッフ全員に辞められた恐怖も味わっています。恐怖を一通り全部経験しているので、もうお店を出す時には怖いと感じなくなりました。

 ―全ての経験が今に繋がっているのですね。3店舗で行っていることはそれぞれ違うのですか?

 金町店と渋谷店ではネイルとアイラッシュを両方やっていますが、千駄木はアイラッシュのみの専門店です。でも実は千駄木店はもともと出す予定はなかったんです。渋谷店を吉美さんに内見させてもらった時に「ここでやりたい」とすぐに思ったので、次に見る予定の千駄木の物件はお断りするつもりでした。渋谷店を見た後に内見の予約が入っていて、現地でお断りしようと思っていたんです。でも実際に内見したら、そこでもやりたくなって契約してしまいました(笑)

でも千駄木は、経営の手法を一番学ばされた店舗となりました。一人のスタッフに任せるという方針のアイデアをくれたのが千駄木なんです。もともと金町に大きな店舗を出していたので、もっと大きなお店を出そうと思っていたのですが、以前25店舗のレストランを経営している社長に「今より大きいお店を出すと失敗することが多いよ」と言われたのが頭の隅に残っていました。それも小規模の千駄木店を出すきっかけになりましたが、結果的には家賃が安い上に毎日満席ですし、スタッフを同時に雇わなくていいので高い利益率を出せています。一人のスタッフに任せるというスタイルの先駆けになったお店ですね。


http://leiwelina.info/about.html#about4 よりレイラッシュ千駄木店画像引用

 【お客様に来ていただくための正しい方法はない。永遠に変わり続ける重要性】

 ―エクステやネイルはどのくらいの期間もつのですか?お客様は期間を空けずに来店されますか?

エクステは三週間から一ヶ月くらいです。ネイルも一ヶ月くらいですね。なので、前の来店から一ヶ月以内に来てくださったお客様には値段がオフになる特典を付けています。今は習慣として定期的にエクステやネイルをしに来てくださるお客様が多くなりました。美容室より高い頻度で来てくださるお客様も多いですね。エクステもネイルも女性の身だしなみのひとつになりつつあると思います。でも、これはやはり東京だからという部分も大きいです。電車の中などで「人を見る」「人に見られる」機会が多いんですね。車は個室なので、きちんとした恰好をしていなくてもそれ程気にならないんです。だから車で移動することの多い地方では一部の人しかネイルやエクステをやらないんですよね。
千駄木の何が良かったかというと、エクステのお店が他に一店舗もないことなんです。来店されるお客様にも「近くで探していたので嬉しい」と言われます。なので、一回来てくださると固定客になるのは早いです。うちは新しいお客様が来て、その方がリピーターになるとスタッフにリベートを渡しているんですが、千駄木はほぼリピーターになっています。場所によっても違いますが、リピーターが顧客になって顧客が定着する可能性って、全体の数%なんです。一年間で顧客が全体のお客様のうちの何%になっているかを調べるのですが、今は60%くらいです。顧客が60%いれば経営は安定しています。閑散期もあるので一定数の顧客様があるのはありがたいですね。顧客様の数を伸ばすために、ポイントカードを作ってポイントが溜まったら施術を無料で受けられる特典を付けたりしています。顧客様特典を作ることで顧客様を大事にしていきたいと思っているんです。


 ―色々な方法でお客様を獲得しているのですね。沢山のアイデアを思い付かれるのが素晴らしいです。

今までお客様に来ていただくために色々な方法を試してきました。でも、これが正しいと思える方法はいまだにないです。今後ずっとこの形で良いというのはなくて永遠に変化していかなくてはならないと思っています。なので、どんどん新しい技術も導入しています。例えば都心でも数店舗しか取り入れていないアップワードラッシュという根元から地まつ毛を上げる技術も取り入れています。この技術は学べる場所が少なくて地方まで講習に行きました。ボリュームラッシュも毎日練習して習得するのに二~三ヶ月かかると言われている技術なんですが、うちのスタッフは二週間で全員できるようになりました。スタッフは仕事が好きでプロ意識が高いと思います。クレームもほとんどないですし、高い評価をいただいているのはありがたいですね。


 【守破離の精神を大切に。お客様に会いたいと思わせるスタッフを目指す】

 ―人材を雇う上で難しい部分はありますか?

うちのように人数が少ないサロンは本当のプロしかいません。なので、少しでも技術が劣るスタッフがいると、一気にお客様が離れてしまいます。実は面白い秘話がありまして、そういうスタッフを以前雇ったことがあるんです。もともとお客様だったのですが、ある時「ここで働きたい」と言って来たんです。お願いしてみたら翌日全てクレームで戻ってきました。それで、お給料を渡す時に「実はほとんどクレームで戻ってきたの」と伝えたんです。すると、その子は泣いて「お金は受け取れません」と言いました。でも「これはあなたの評価ではなく時間への対価だから受け取って」と言って渡しました。それからしばらくして、またその子が「ここで働きたい」と来たんです。迷いましたが、前の涙の印象が頭に残っていたんでしょうね。結局、働いてもらうことにしました。でも、やはりクレームで戻ってきます。お客様には「もうあの子にやらせないで」「あなたがいくらやり直してくれても、そんなに何回も来る暇はないの」と言われました。予約よりクレームの電話が多くなったくらいです。その時も本当に迷いましたが涙を飲んでその子に続けさせました。お客様の数は半分になりました。でも、とことんやらせていくうちに徐々にクレームの電話が減っていったんです。だんだんお客様が「あの子いいね」と言ってくださるようになり、後に彼女は指名ナンバーワンスタッフになりました。お客様が減っていった時は本当に悩みましたが、彼女が少しずつ自信を付けていって指名ナンバーワンになった時には涙が出る程嬉しかったですね。

 

―スタッフの方への深い愛情に感動しました。内山様は3つの店舗を順番に回られるのですか?

今までは1つのお店にかかりきりで、私が他の店舗に出ることはありませんでした。でも、渋谷店のスタッフが辞めたのをきっかけに全部の店舗を回るようにしたら、実態が見えてきたんです。今まで「私はスタッフをプロとして雇っている。だから彼女達はプロとしてやってくれればいい」という考えで、スタッフを集めてミーティングをしたこともありませんでした。女の子って感情で仕事をする部分があると思うんですね。仕事をする中で「嫌だな」って思うことがあっても、自分達なりに乗り越えていくんです。でも、そういう自分が頑張った時に何の評価もされないのは、寂しいことなんですよね。全部の店舗を回ったりミーティングをするようになったことで、そういう見えていない部分が見えてきました。
私はどちらかというと職人肌で、技術は盗んで自分の物にするものという感覚が強かったんです。でも講師をやるようになって、それは違うということに気付きました。教え方や伝え方もきちんと考えるようになりましたし、技術は理論的なことに基づいていることが分かったんです。技術は体で覚えるものだと思っていましたが、そういうやり方は時代に合わないとも思いました。

そして「守破離」の精神を忘れないようにしようと思ったんです。「守破離」とは茶道や武道の精神です。まず、師匠から学んだ良いものを受け継いで守り、それを自分に合ったより良い型にすることで前の型を破ります。そして、最終的にその型からも離れて自分で新たに開拓していくという考え方です。この「守破離」の精神を大事にしたいし、スタッフにも伝えていきたいと思っています。

 ―とても勉強になります。接客をする上で大事にしているポイントはありますか?

私は「一人ひとりのお客様の気持ちに寄り添う接客」を思想として掲げています。いかにお客様に喜んでもらうかが私達の仕事であって、お客様に喜んでもらってこそ私達が輝けると思っています。スタッフには日々「自分が行きたいのはどんなお店なのか」「自分が会いたいと思うスタッフになれているか」を自問自答させて、自分自身が商品であることを伝えていますね。技術だけではなく、この人に会いたいと思わせる何かを提供するのがプロの仕事だと考えています。
お客様は、色々なサロン行って知識もお持ちですし、要望も出されます。要望はもちろん受け入れますが、もっと良い提案があればお伝えするようにしています。そして必ずエクステやネイルをどんなシチュエーションで使うのかをお聞きします。普段使いの場合もあればイベントの場合もありますよね。自分の結婚式を前日に控えていても、意外とおっしゃらない方もいるんですが、写真に写るのと舞台に上がるのとでは見栄えも変わるので、自分の経験談を交えながら、お客様にとってより良い提案をするようにしています。
私達のやる作業は「削る・塗る・付ける」と単純です。でもこの単純な作業を流れ作業のようにやってしまっては沢山あるサロンの中から自分を選んでもらえません。私達がやっているのは対人間の仕事なので、お客様に寄り添うことができるし、だからこそ楽しくなってのめり込むんです。本気でやらないとのめり込めないし、のめり込まないと楽しくもないんですよね。私達は職人ですけど、ただ物を作っている訳ではないし、対人間だからこそ面白いんだとスタッフに伝えています。


 【お客様がプリンセスになれる空間を創るために】

 ―渋谷店を「ラ・ツールド・ルパン」に決めた理由をお聞かせいただけますか?

最初は戸越銀座で物件を探していました。でも戸越銀座は「空きが出ない」街なんです。代々木公園もそうですが、お店の入れ替えが少ないんですね。戸越銀座では空きが出なかったので23区全部で探していたら、この「ラ・ツールド・ルパン」がヒットしたんです。自宅が金町なので、千代田線で乗り換えなく来られるし、サイズや予算も理想的でした。駅前の2階なので視認性も良いし、お客様に来ていただきやすいと思ったんです。空くタイミングもぴったりで、吉美さんと一緒にこの物件を内見した時に、その場で「ここにします」とお伝えしました。


http://leiwelina.info/about.html#about3 よりアン・レイラッシュ渋谷店画像引用

 ―理想的な物件をご紹介できて良かったです。店内はとても素敵な内装ですが、どんなコンセプトだったのですか?

「高級感があって、かつリラックスできる」ことが内装のコンセプトです。ラグジュアリーなイメージを大切にしましたが、ただ高級感があるだけではなくて、お客様が癒される空間にしたいと思いました。ネイルとエクステを同時に施術するので、お客様には横になっていただきますが、その時に自分がプリンセスになったような気分を味わっていただきたいと思っています。だから全店舗にシャンデリアを設置しました。窓の部分は、はじめ内装屋さんに扉を付けると言われていたのですが、圧迫感もあるし暗くなって嫌だったので自分でデザインしたカーテンを取り付けました。店舗を出す時には、居心地が良くて自分が行きたいと思えるお店を作ることを第一に考えています。

 

―本当にお姫様気分になれるお店だと思います!最後に今後の展望をお聞かせいただけますか。

レイグループでは親のいない子供に寄付をすることで支援をしています。ワールドビジョンというプログラムで支援する子供の年齢は8歳から8年間と決まっています。ベトナムの子に支援をしているのですが、子供からはお礼の手紙をもらえて自分の環境や困っていることを教えてくれます。でも、これは16歳までしか支援できないプログラムなので、その後その子達はどうするの?となりますよね。そこで、私は子供達に美容の仕事の道を提案していきたいと思っているんです。
国が貧しいと16歳から身売りをする子もいますが、美容という道を提供することで自立して歩めるように自立支援活動をしていきたいんです。今支援している女の子は8歳なので、その子が16歳になる8年後を目標に実現させたいと考えています。まずは日本のサロンで働いてもらうことになりますが、いずれはベトナムに店舗も出せたらと思っています。

あとは、渋谷店では歯のホワイトニングもやっているのですが、知らないお客様も多いので、Web予約ができるような形を導入していこうと考えています。日本は歯が痛くなったら歯医者に行きますが、外国ではもっと歯に関することが進んでいるし、時代的にもホワイトニングはもっと浸透していいものだと思っているんです。
それから、他に新しいビジネスを始める予定もあります。ずっと前からやりたかった婚活ビジネスです。私は恋愛相談を受けることが多く、パートナーと出会いたいのに出会えない人が沢山いることを感じてきました。実は前に婚活パーティーに行ってみたことがあるのですが、正直つまらなかったんです。何か新しくて面白い方法はないかと考えた時に、一緒に料理を作る婚活パーティーのアイデアが浮かびました。従来のパーティーは、男性も女性も取りつくろったまま終わってしまって、その人の実際の部分はなかなか見えません。でも一緒に料理をすると、何も手伝おうとしない人、一生懸命自分から動こうとする人などが出てきて、その人の性格が見えてくるんです。パーティーでは復興支援の食材を取り寄せて、婚活と同時に社会貢献もできたらいいなと思っています。通り一遍の婚活ではないビジネスを始めたいですね。美容と繋げるのもありかなと思っていて、たとえばカップルになった方にホワイトニングの歯磨き粉を1年分プレゼントするなど協賛も考えていこうと思っています。

【担当者コメント】

内山様、この度はご契約誠にありがとうございました。
当物件をご覧頂いた際には、室内に入ってすぐに具体的なレイアウトや新店舗へのアイディアが湧いて出てきていたのが印象的でした。即決で申込頂き、素敵なお店ができそうだと私もご内見時から楽しみでした。
完成した店舗内を実際に拝見させて頂いたのはインタビュー時が初めてでしたが、内山様と従業員の方の細部までのこだわりがお客様の満足を生む空間になっていて、女性向け店舗でありつつも男性の私も居心地がとてもよかったです。こんな素敵なお店が出来る過程に仲介という立場で関われて光栄に思いました。
インタビューの際はこれまでの経緯や、常に新しいことに多角的に取り組まれていることをより詳しくお伺いでき興味深く、時間があっという間でした。内山様のバイタリティーあふれる姿にお客様、従業員の皆様が集まり渋谷店、他店舗の形となっているようなことも思い、感銘を受けました。
次店舗でも、他業態でも、またご満足いただける空間探しに尽力いたします。今後ともよろしくお願い致します。