株式会社ジャングルジャム 様 インタビュー

株式会社ジャングルジャム 

日本から世界へ!
飛躍し続けるサーフ界のパイオニア

株式会社ジャングルジャム 

株式会社ジャングルジャム 

代表取締役社長  芝原 正博 様

http://jamglejam.com/

2016年7月5日

 

目黒区と世田谷区にまたがって位置する池尻大橋駅。
地上に出て玉川通り沿いを歩くと、右手に目黒川が姿を現す。川の両脇にそびえ立つ桜の木。春には美しく桜の花が咲き乱れ、多くの見物客で賑わうその場所は、鮮やかな新緑のアーチで覆われていた。
目黒川の隣には、目黒大橋郵便局。そして、その裏手には目黒天空庭園の敷地が広がっている。
その名の通り、屋上に緑豊かなリフレッシュスペースを備えた都会の真ん中のオアシスだ。ビジネスマンが休憩時間にホッと一息つける場所として絶好のスポットと言えるだろう。
目黒天空庭園に隣接する高級マンション、クロスエアタワーの低層階には、目黒区役所の出張所をはじめ、スーパーマーケットのライフや区立図書館、ドラッグストア等が入居している。玉川通りを渡った反対側には、カフェやマクドナルドなどランチタイムに使える店も豊富だ。利便性に優れ、かつ自然豊かな池尻大橋駅周辺。



玉川通りと交差する山手通り沿いの第一久保ビルに、2015年、移転された株式会社ジャングルジャム様を訪ねた。レトロな雰囲気のエントランスをくぐり、エレベーターに乗る。
4階で降りて、廊下を少し歩くと、そこには株式会社ジャングルジャム様の世界が広がっていた。


 

【日本のサーフ界を牽引するジャングルジャム】

―御社のお仕事内容を教えていただけますか?

サーフ系のカジュアルブランドをいくつか展開していて、その中に自社ブランドが2つあります。そのうちの1つ「BANKS」はアメリカのカリフォルニアとオーストラリアに支社を作って、グローバルで展開をしています。カリフォルニア支社からは北米、オーストラリア支社からはオーストラリア全土に卸して販売していますね。それから、カナダとニュージーランドでも代理店契約をして取引しています。アジアで展開しているのは、韓国と台湾です。台湾は台北に店舗があって、韓国には卸しをしています。
自社ブランド以外は、代理店という形を取って、アメリカやオーストラリアのブランドと独占販売契約をして日本国内で展開をしています。

―海外での支社開設は大変ではありませんでしたか?

会社登記は一から全部やりましたが苦労しました。雇用も相手が外国人なので難しいですね。そのあたりの業務に詳しいパートナーが海外にいるので、今はやってもらっています。
あとは、物件探しも大変でした。オーストラリアに関しては、雇用している人間がオーストラリア人なので任せましたが、カリフォルニアは、僕も不動産仲介業者と一緒に車で色々な物件を回りましたよ。物件の探し方は日本と全く変わらないですね。

 

―海外業務の難しさはありますか?

業務の難しさは、やはり語学ですね。もともと英語は一言も話せなかったんですよ。今は普通に会話できるようになりましたが、英語が話せないと仕事ができないので、独学で勉強しました。

会社を設立した時は「ROIAL」というブランドを展開していたんですが、アメリカのブランドなので、当然アメリカ人とやりとりしないといけない訳で、英語がしゃべれないと仕事にならないんです。設立当時は、電話がかかってきても言葉を聞き取れないので、やりとりは全てファックスでした。お金がなくてパソコンもなかったので、毎日、辞書を片手に持ってファックスで送られてきた文章を日本語に訳していましたよ(笑)言語の問題は、専門的な話になってくると、今も難しい部分がありますね。
あとは、ありがたいことに、会社の成長速度が非常に速いので、キャッシュフローの部分でも難しさを感じています。
それから、人種の違いの難しさがありますね。日本人には、思っても我慢して言わないことを美学とするような国民性がありますけど、アメリカ人相手だとそれでは負けてしまうので最初は苦労しました。思ったことは、意識して主張するようにしてから、対等に渡り合えるようになってきましたね。アメリカ人の自己主張の強さ、彼らにとっては当たり前のことが、日本人の私にとっては強烈な主張に感じて初めは戸惑ったものです。

―どのような理由から日・米・豪3カ国共同の「BANKS」を始められたのですか?

日本のファッションのマーケットは現在、あらゆるブランドがひしめき合っている飽和状態なんです。
サーフ系の最大手だったらこのブランド、ファッション系だったらこのブランドという風に大体決まっている中で、日本の国土面積から考えると、売上を倍にすることはなかなか厳しいですよね。
それなら、日本を出て広い世界にアプローチをしていく方が、可能性が拓けるんじゃないかと思ったんです。日本に比べてアメリカやオーストラリアは、僕らが戦っているサーフという業界がとにかく大きいので、そこに上手く入っていくことができれば、まだまだ伸びしろがあるのではないかと思いました。
あとは、サーフというカテゴリーの中だけで考えた時に、日本人がグローバルで成功したブランドって今まで1つもないんですよ。だから、そこで成功してみたいというフロンティア・スピリットも正直ありましたね。サーフマーケットにおいて、日本が外国より下に見られることは昔に比べて、あまりなくなってきましたし、そもそも物作りの技術なら、「ジャパンクオリティ」と呼ばれるように、日本は他の国よりもずっと高いです。海外でも高い評価を得ています。海外でポテンシャルを持った人と日本の物作りの高いクオリティとが組めば、新しい取り組みになるだろうと思いました。

なおかつ、それを日本人がリーダーシップを取って成功すれば、サーフという切り口を持った人達が海外に出てもやっていくことができるんだという証明にもなりますよね。日本人が海外に出ていく突破口になりたいと思ったんです。当然、日本人だけでグローバルな展開はできないので、海外からも人を集めました。できないことはできる方法を探していけば解決していくと思います。まずは、一緒にやっていける人を集めて「BANKS」を3年前にスタートしました。

―海外の力に日本の物作りのクオリティをプラスすれば素晴らしいものが生まれそうですね。3カ国で同時に立ち上げをされたんですか?

もともと日本に本社があって、その後でアメリカとオーストラリアにも同時に法人を立てました。日本の会社がアメリカに商品を販売するとなると、売上の回収や商品のデリバリーなどの問題が色々出てくるんです。でも、外国にも本社機能を持った支社があれば、しっかり仕事が回っていくので、グローバルに展開していくことができます。そう思って、アメリカとオーストラリアに事務所を立てました。

―御社の創業は西暦2000年とのことですが、「BANKS」がスタートするまでは何をされていたのですか?

「BANKS」がスタートするまでは、元プロサーファーがカリフォルニアで立ち上げた「ROIAL」というブランドを日本で展開していました。あとは、途中からオーストラリアのブランド「TCSS」の独占販売代理店にもなりましたね。2009年にオーストラリアの東海岸で誕生したブランドです。
グローバルでの展開は「BANKS」が初めてですね。それまでは日本国内だけで活動していたので。


―海外進出は期待や不安でドキドキされたでしょうね。

まだドキドキしていますよ(笑)。お陰様で反応がすごくいいので、ここからもっと面白くなるかなと思っています。毎シーズン、売上が200パーセント伸びているんですよ。でも、僕らの場合、日本だけでやっていたら200パーセント増はあり得なかったですね。北米はとにかく広いし、オーストラリアは、人口は少ないですけどサーフマーケットが大きいんです。海外ではゼロからのスタートだったので、順調に伸びていきました。

―本当にすごいですよね。海外の他の地域への進出を考えられたことはありますか?

南米で少し活動していますよ。代理店を間に入れずに直接卸しています。
あと、実は2018年からヨーロッパでも展開していく予定です。サーフィンは、アメリカとオーストラリアのイメージが強いですけど、ヨーロッパでも実は盛んなんです。フランス、スペイン、ポルトガルでは世界大会も開催されています。日本にいると、情報が入ってきづらいですが、まだまだサーフィンをやっている国は沢山あるので、これから世界各国に展開を広げていきたいですね。先を見越して、常に10年後位までは予定を立てるようにしています。

―素晴らしいですね。日本国内での展開はいかがですか?

国内では、直営店を5店舗やらせていただいています。都内で、表参道、代官山、渋谷の並木町近くの3店舗、それから横浜と九十九里にもあって全部で5店舗ですね。あと、今年の10月、平塚にららぽーとができるんですけど、そこに出店が決まっています。どの店舗もサーフを愛する人達が気軽に立ち寄れて楽しめる場所であって欲しい。そんな思いを込めて「PORT OF CALL」(よく行く場所)という屋号になっています。


―ネット販売や店舗での販売など色々されていますが、「PORT OF CALL」では洋服のみを販売されているんですか?

カフェを併設している店もありますよ。飲食スペースと洋服を売る場所を分けて、夜はお酒も飲めるようになっています。
お話ししたように「PORT OF CALL」には「よく行く場所」という意味があります。ちょっと時間が空いた時に、お客様に「あそこに行こう」と思い出してもらえて、気軽な気持ちで立ち寄っていただけたら嬉しいですね。洋服を見たり選んだりするのはもちろん、食べることや飲むこと、お店で過ごす時間自体を楽しんでいただけるような空間作りを心がけています。

―素敵ですね。そのようなブランドを作っていく上で大事にされていることはありますか?

コンセプトと一緒に作るメンバーが何よりも大事だと思っています。まず明確なブランドコンセプトを作れること、そして、ブランドを作る上でのノウハウをきちんと持ったメンバーが揃っていることですね。
ブランディングは、全く価値のないものに価値を付けていく作業なので、その工程を筋道立てて論理的に考えられる人が不可欠です。商品に価値を付けること、そしてブランドのイメージをどう付けるかも大切です。

そうなってくるとマーケティングも重要になってきます。お客様が求めている商品やサービスを作り出して提供し、かつ効率的に売っていくことが必要です。例えば、細かい部分で言えば、SNSでもきちんとプランを立てて投稿をするようにしています。思い付きで動くと絶対に失敗しますからね。
あとは、会社が理想的な形で機能していくために、全体をマネジメントすることも大切なので、マーケティングができる人間、マネジメントができる人間を各部門にきっちり置くようにしています。ノウハウを持った優秀な人材は揃えられたと感じていますね。
いいネットワークが周りにあったので、これはと思った人をヘッドハンティングしました。探したい方向に、常にアンテナを張っているので、良い人材が見つかったというのもあると思います。

―常に精力的で前向きな印象ですが、社長の原動力は何ですか?

やりたくないことはやらないことですね。自分がやりたいことだけを常にやっているので、大変ですけど仕事が楽しいです。「楽しい」と思えることが前に進み続ける原動力になっていると思います。
僕も以前はサラリーマンだったんですよ。サーフ系以外のアパレルの営業をやっていたのですが、その時に自分が本当にいいなと思ったものでないと売れないなと思ったんです。
僕の勤めていた会社は量販店に卸していたので、商品も安かったのですが、1本980円のデニムを持って行っても高いと言われたりしました。
その時は、やりたいことをできていない実感が自分でもあって、結果も付いてきませんでしたね。そういう経験があって、自分でやりたいことをやる方が向いているし、長続きするだろうなと思ったので会社を始めたんです。

【さらなる発展のためのオフィス探しにおけるコンセプト】

―今回のご移転は、旧オフィスにどのような問題があってされたのですか?

「BANKS」をスタートしてから会社が急成長したこともあって、前のオフィスは完全に手狭になったというのが移転を決断した一番の理由です。あと、以前はマンションタイプだったので、オフィスとしての使い勝手も良くありませんでした。

―オフィスを探す上でコンセプトはありましたか?

立地に関しては、やはり流行に敏感な街であるファッションエリアにオフィスを構えたいと思っていました。以前のオフィスは渋谷でしたが、この目黒と渋谷周辺でしか物件探しはしていないですね。具体的な街を挙げると、中目黒、原宿、千駄ヶ谷辺りです。
展示会を開催する時など、お客様がご訪問されることもあるので、アパレル関連の仕事をしていくなら、お洒落なイメージの場所にオフィスがあることは重要だと思います。
ビルについては、明確には決めていませんでしたが、マンションタイプではなくオフィスビル仕様であることは希望していました。

―ジャングルジャム様が入居されて、初めて訪問させていただいた時は、あまりにカッコいい内装になっていて本当に驚きました。すごくお洒落なオフィスですが、デザイナーさんがいたのですか?

デザインは全て僕がやりました。壁には、工事現場の足場板を使っています。天井も抜いてしまったので、高くなって、開放感が出てよかったです。ドアはアンティークのものを探してもらいました。第一久保ビルを内見した時に、こういう感じにしようと何となくイメージが浮かびましたね。

―移転するにあたって、他の不動産仲介業者さんからも紹介はあったのですか?

2、3社の不動産仲介業者に頼んで、第一久保ビル以外の内見もしましたよ。でも、案内された物件は、いわゆる普通の事務所で綺麗過ぎるなと感じました。一般的なオフィスとしては良いのかもしれませんが、ジャングルジャムのイメージには少し合わないなと思ったんです。少し古いくらいのビルの方がコスト面も安くなりますしね。

―なるほど。最終的にこちらの第1久保ビルに決定した理由は何だったのですか?

レトロで古びた感じが気に入りました。風合いもあるし、新しくて綺麗なオフィスよりも、自分でアレンジしやすいと思いました。広さは十分にあるので、事務所と応接、展示室を分けて確保できる点も良かったです。

―入居後の感想を教えていただけますか?

以前より広いぶん、事務所スペースの他に洋服の展示室もできたので、ずっとよくなりましたね。お取引先様にもご訪問していただいていますが、皆、1階のエントランスから入ってきて、上に来ると驚かれるみたいです。そんなギャップを狙っている部分もありますね(笑)
お客様にも喜んでもらえ、従業員もすごく気に入っているこのオフィスを、当社オリジナルのサーフ情報の世界へ向けた発信基地とし、さらなる飛躍を目指していきます。

―それはよかったです。最後の質問になりますが、御社の紹介サイトに「顔晴っています」とあるのを拝見しました。どういう思いから「頑張る」ではなくこの字にされたのですか?

僕ではなく社員が書いたものですが、やはり暗い顔をしていると良くないということでしょうね。誰かが元気がないと、他の社員にも伝染しますし、会社全体の覇気もなくなってきます。皆が明るく元気な顔をして「顔晴っていこう」という前向きな気持ちが表れているのではないかと思います。


―「晴れやかな気持ちで前に進んで行こう」という意味が込められているのですね。とてもジャングルジャム様らしいと思います。本日は、お話を聞かせていただきありがとうございました。

【担当者コメント】

芝原社長、事務所ご移転に当社をご活用いただきまして誠にありがとうございました。取材のご協力につきましてもお忙しいところお時間いただきまして感謝いたします。
第1久保ビルをご内見いただいたときは、原状回復前でとても汚れていました。あまり印象が良くないのでは・・・と不安な思いでご案内させて頂いたのを覚えています。
その汚れた感じを風合いと取って、『気に入った。このままで借りたい』と仰ったときは耳を疑いました。若干のクリーニングは入れたものの、基本的にはそのまま状態でお借りするかたちの契約に至ったので、どんなオフィスになるのか楽しみにしておりました。ふたを開けてみたら、予想をはるかに上回るレトロでカッコいい内装でした。こんな言い方はおかしいですが自慢のオフィスです~。
今後ともよろしくお願いいたします。